懐かしの庭〈上巻〉懐かしの庭〈下巻〉原書名 : 오래된 정원
著者 : 황석영(ファン・ソギョン/黄皙暎)
主人が読んでいて、「面白いから読んでみたら」と言われ、いくらなんでも原書で読むには、今のわたしの
韓国語のレベルから考えると、いつ読み終わるかわからないので、邦訳を読んでみた。
主人が面白いと言ったのが分かったような気がする。時代は少しずれるが、本人も学生圏にいたし、お父さんは、小説の主人公の恋人である女性の父親と同じようにもともと北の人だったし…。当時、
韓国社会で暮らしていくために、それがどれほど大変なことだったのか、もちろん一人一人の歩んだ道は異なっていても、主人のお父さんも心の中でどれほどの葛藤があったのかと思うと…。
久しぶりに小説を読んだこともあってか、面白かったー。一気に読んでしまった。ここ数年、読んだものと言えば、無味乾燥な論文や学術本ばかりだったせいもあってか、わたしの小説好きというか
文学好きなことを思い出させてくれた。
80年代の
韓国国内の状況や様子、そして当時の民主化運動というか社会運動、そしてその運動に関わった若者達の思いとその後など、考えさせられる事柄があまりにもたくさん含まれていて、読んでいる時も、そして読み終わった後も、何だか自分がその中の一員だったような気さえした。
日本の敗戦で迎えた解放。その後からオリンピック後の
韓国までの時代はなかなか理解するのが難しい。小説はドキュメンタリーではないが、でもこういう書籍を通して、当時の状況や人々の考えが少しでも理解できるようになるのではと思った。
青木優子さんの訳はとても良かった。これは『現代
韓国短篇選(上・下)』を読んだときとは全く違った。読者が原語の知識が無かったとしても、やはり翻訳のレベルというのは感じ取るものだと実感した。
この小説は映画化されているが、この長編を一本の映画で表現するのは大変ではないだろうか(映画はまだ見ていないが)。やっぱり、本で読むことも必要かもしれない。
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