ものがたり 朝鮮の歴史―現在と過去との対話池明観氏は大学時代、宗教哲学を専攻されていた方で、1972〜1993年まで日本の大学で教えていたことのある方です。 著書も多数あります。
本のタイトルに「ものがたり」とついています。 本書の序で、著者もなぜ「ものがたり」とつけたか説明していらっしゃいますが。 歴史上の出来事をただ単に年代順に羅列し、説明するという書き方ではないので、
韓国の歴史についておおまかな流れを知ったうえで読むほうがおもしろく読めると思います。
読んでいて感じたのは、著者が歴史学などの基礎をきちんんと押さえた上で書かれていることでしょうか。 著者は1924年生まれですから、朝鮮半島が日本の植民地時代に育ち、且つ朝鮮戦争も体験した世代です。 言葉では言い表せないような思いを幾度となくしてきているにもかかわらず、研究という分野で、客観的に分析されています。
過去のある出来事を取り上げ、どこどこで、どこの国の誰々がこうした、ああ言ったということだけを取り上げ、それに対する考えを書くのは比較的簡単なことなのかもしれません。 でも、その出来事を通して、なぜそうなったのか、また周辺の他の国々はどうだったのか、またそれぞれの国の関係はどうなだったのか、などなど、全体に目を向け、その上で再度、各出来事に焦点をあてるという方法で分析した書籍は少ないですね。
韓国人であり、また20年近く日本にいたこともあるからでしょうか。
韓国人と日本人のものの考え方の違いや、その違いが長い年月の中で生まれてくる過程など、日本人の研究者が書いた著書にはあまり言及されていない点などもあり、わたし個人的には、いろいろと新しい発見のあった本でした。
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