カレイスキー―旧ソ連の高麗人
著者 : 鄭棟柱(정동주/チョンドンジュ)
翻訳 : 高賛侑(고찬유/コチャニュ)
出版社 : 東方出版(1998/05/20)
原書の《까레이스끼, 또 하나의 민족사》(『カレイスキー、もう一つの民族史』)は1995年に우리문학사(ウリ文学社)から出版されている。 原書を訳す際に、日本では旧ソ連で生活している高麗人についてあまり知られていないということもあり、全訳ではなく、抄訳となっているとのこと(訳者のあとがきより)。
ちなみに、本書では彼らのことを「高麗人」という漢字で表記しているが、彼ら自身は自分達のことを「고려사람(コリョサラム)」と呼ぶそうである。
スターリン時代に旧ソ連領である沿海州一帯で生活していた朝鮮民族を集団で、ごっそりとカザフスタンや中央アジアへ移住させたということは、主人からも聞いており知っていたが、大体いつ頃から朝鮮民族が旧ソ連領へ流れていったのかとか、朝鮮半島、中国、旧ソ連の国境がはっきり定められて以来、旧ソ連領に残った彼らが今日までどのような道を歩んできたのかについてはあまり知らなかった。
本書は、彼らの由来、旧ソ連が帝政ロシアからレーニンの革命を経て社会主義国となり、スターリンの出現、ペレストロイカ、そして旧ソ連の解体から今日に到るまでの歴史を、現地で暮らす高麗人を訪ね周り、行った取材などから得られた話しを織り交ぜながら、かなり詳しく記されている。