朝鮮日報(Web版)って今まであまり見なかったが、結構おもしろい記事が載っている。先月の10月28日の記事に、中国や日本の人名や地名を韓国語で表記する場合、原音通りにするか、それとも韓国語の漢字音で読むのかという討論会の話しが載っていた。
中国・日本の固有名詞、なぜ韓国では原音表記なのか(上)(http://www.chosunonline.com/article/20071028000002)
中国・日本の固有名詞、なぜ韓国では原音表記なのか(下)(http://www.chosunonline.com/article/20071028000003)
記事にあった表(↓)
※ この表の「原音表記」だが、必ずしも中国語の原音にもとづいて韓国語表記しているわけではない。例えば、「揚子江」。もし原音にできるだけ近い音で表記したいのであれば「ヤンズジャン」みたいな音になるはず。だから、原音表記とは言ってもそれすらきちんと整理されていないのが現状ではないだろうか。
記事の中で、
「中国では金大中を『チン・ダージョン』、サムスン(三星)を『サンシン』、安倍晋三を『アンペイ・チンサン』と呼ぶ。韓国と日本の固有名詞を全て中国語で発音している」と指摘いた教授がいたが、これは中国人にとっては当たり前のこと。漢字は自分達のものと思っているわけだから、漢字が作られてから何千年経っていようが、漢字が他の国に伝わり、その国独自の漢字(文字と音を含め)に発展していようがいっこうにお構いなしで、とにかく漢字で表記されているのだから、自分達の発音で読むべきと思っているから。だから、中国にいる韓国人留学生の氏名も漢字で表記・発音するし、漢字を用いないその他の国の留学生の氏名もむりやり漢字で表記し学生証にはその漢字のみ記載されている。
また、こんな指摘もある。
「延辺」(中国吉林省の朝鮮族自治州)を「ヨンビョン」ではなく「イェンビィエン」、吉林省を「キルリムソン」ではなく「チーリンソン」と呼んだ場合、大きな問題を引き起こすと主張する。昔の高句麗の領土で、現在朝鮮族が居住している場所を中国式に呼ぶことは、高句麗史が中国に帰属していると韓国側が自ら認めるに等しい、との見方だ。韓国の場合、このような歴史的問題もあり、地名に関しては日本よりも敏感にならざるを得ないのだろう。
日本の場合、韓国の人名や地名に関しては、昔は漢字で表記できるものは日本語の漢字音で読んでいたが、最近は原音をカタカナになおして読むことが多い。中国の人名や地名はいろいろ。例えば、人名は日本語の漢字音、地名は現地音といったところ。ニュースなどで胡錦濤を「コキントウ」と読んでいるが別に問題はない。
「周恩来」を原音通りに発音しようとすれば、ハングル表記とは母音の種類が違う上、巻き舌にして、高く平らな声調(1声)で発音しなければならない。パネリストとして出席したソウル大学の宋基中(ソン・ギジュン)教授は「中国国内の朝鮮族は『毛沢東』を『モ・テクトン』(韓国語漢字音)と発音する。韓国人が『マオ・ジョードン』と呼ぶのは、『中国語でもなく、朝鮮語でもない』と言っている」と話した。こんな意見を読むと、韓国人は音に敏感なのかとも思った。外国語を原音通りに発音するのは無理に決まっている。使っている母音や子音の種類及び発音体系だって異なるわけだし、アクセントのある言語、声調のある言語もあるわけだから。そうすると、日本語のカタカナというのは結構便利なものなのかもしれないと思ったりした(もちろん原音通りにはならないが、それは日本で日本人が使っている日本語として用いるわけで別に問題があるわけではないし…)。
韓国でのこの問題は当分揺れるんでしょうね。中国との関係はもう切っても切れないものになっているわけだし。
ちなみに、翻訳ソフト(ネット上の無料で利用できるもの)に中国の人名や地名を含んだ韓国語の文章を書き込み、韓→日や日→韓で翻訳させてみるとおもしろいことがある。
先日、主人からのメールを試しに翻訳ソフトにかけてみた。文の内容は
「11월 2일에는 상해로 출장을 가야해요.」。
Exciteの翻訳ソフト : 11月 2日には傷害に出張を行かなければなりません.
OCNの翻訳ソフト : 11月2日には傷害に出張に行かなければなりません。
「上海」の韓国語상해は「傷害」と同じ音なので、こう出てしまうのでしょう。ちなみに、中国語の発音も、声調が異なるだけで音は一緒ですね(上海=shang4hai3、傷害=shang1hai4)。
次に「上海」を日→韓でやってみると、
Excite : 샹하이
OCN : 상해
Exciteの方は、音に合わせてハングル書きしたものが出てきました。
これも、韓国でまだはっきりとした決まりができていないということの表れでしょうか。
tags : 言葉 漢字